サマコバ磁石の置き換え

もくじ

1. サマコバ磁石の特徴と規制理由

ポイント:主原料のサマリウム(Sm)は重希土

サマコバ磁石は永久磁石の中で、ネオジム磁石に次いで高い磁力を有しています。
それでもネオジム磁石の約7割程度まで磁力は落ちてしまいますが、
ネオジム磁石と比較したときに、高い耐熱性と高い腐食性耐食性を有しています。
これら特徴を考慮し、サマコバ磁石とネオジム磁石を本来使い分けます。
 
サマコバ磁石はその特徴から、特に航空・防衛・宇宙分野で使用され、
具体的には航空計器や、レーダー、宇宙機器の駆動部品に組み込まれいます。
このことが影響し、ネオジム磁石と比較した時にレアアース輸出規制の輸出許可取得の難易度は高くなります。
 
ネオジム磁石は重希土フリーがあるので、何とか一部は入荷が叶っています。
一方、サマコバ磁石の重希土フリー材が存在しません。
 
サマコバ磁石にとって重希土サマリウム(Sm)は主成分であり、成分比率25wt%程度と割合大きく、置き換えが困難であるためです。
主原料のサマリウムが重希土類である事から規制対象となり、重希土フリー材が実現しません。
 
元素番号材料名サマコバ磁石の役割その他用途
62Sm/サマリウム主原料、含有率25%程度
保磁力向上に作用
光学・発光材料、原子力用途
27Co/コバルト含有率60%程度
磁力調整に作用
レアアースに分類されない
リチウムイオン電池、切削ドリルなど

その他、Fe、Cu、Zrなど含有

2. 使用環境の再確認

ポイント:実際の耐熱温度と使用環境を再確認
 
サマコバ磁石の重希土フリー材が存在しない為、現状は輸出許可取得まで待つしかありません。しかしながら、現在は輸出許可まで非常に長期化しておりサマコバ磁石は輸出許可までのハードルが高い状況です。
 
上記理由により、弊社はサマコバ磁石の代替えとして重希土フリーネオジム磁石をご提案させて頂きます。
 
 
一番の課題として、耐熱性の問題が思い浮かぶと思います。
ですが、実際古い図面を当時のまま使用し耐熱性を必要としていないケース、
実際は必要以上の耐熱温度を求めオーバースペックだったケースなどございます。
 
改めて仕様の見直、試作評価を行ってみるのはいかがでしょうか。

3. サマコバ磁石とネオジム磁石の耐熱温度差

ポイント:耐熱性と温度係数に注意
 
ただし、注意が必要です。
まずは、サマコバ磁石とネオジム磁石(各グレード)の耐熱温度を比較した時の温度差ですが、やはりネオジム磁石と比較しても、サマコバ磁石の方が耐熱温度が優位になります。
 
耐熱温度

*耐熱温度は 不可逆減磁 が始まる温度を表し、参考値になります。

また、耐熱温度だけではなく、サマコバ磁石は温度係数も優位になります。
*温度係数:20℃を基準にして、温度が1℃上がるごとに下がる磁束の事

種類αBr (%)
磁束密度の温度係数  
ネオジム磁石 ノーマル材-0.12
ネオジム磁石 H材-0.11
ネオジム磁石 SH材-0.10
サマコバ磁石-0.03

*ネオジム磁石 ノーマル材の場合は1℃で0.12%下がることを表しています

この様に、ネオジム磁石へ切り替えを行う場合は、温度への注意が必要です。

4. サマコバ磁石とネオジム磁石の磁力差

ポイント:磁力差にも注意

使用環境温度の問題がクリアできれ、次は磁力です。

上述の通りネオジム磁石はサマコバ磁石の2-4倍高い磁力を要しています。

その為、サマコバ磁石の中で一番磁力が高い材質とネオジム磁石の一番磁力が低い材質は、同等の磁力になります。

実際に比較してみます。

*表面磁束密度は参考値になります。

5. まとめ

ポイント温度と磁力を考慮

*表面磁束密度、耐熱温度は参考値になります。

サマコバ磁石は温度が優位、ネオジム磁石は磁力が優位

これを考慮しながら磁石を選定していきます。改めて使用環境と磁力を確認することでネオジム材への置き換えが可能となる場合があります。

まずは現行品の再確認し、ネオジム磁石への切り替えをご検討されてみてはいかがでしょうか。

本日の原材料価格 【11-2】

2026/11/02
[元/kg]
  • プラセオネオジ(Pr-Nd)
    861
    ジスプロシウム(Dy)
    1785
    テルビウム(Tb)
    7820
    プラセオネオジ(Pr-Nd)
  • 原材料価格について
    本日は前日から変動はありません

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