重希土フリー 2026/8/22 2026/8/24 目次重要度重希土とは★重希土規制の背景★ネオジム磁石における重希土の役割★重希土含有材と重希土フリー材の中国輸出時の違い★★重希土フリー化の手法★★★重希土フリー材のメリット、デメリット★★★重希土フリー材 一覧表★★★★★ 重希土とは ポイント:重希土は高価な材料で、入手困難なレアアース レアアースを構成する17元素の内、10種が重希土に分類され、世界的に埋蔵量が希少かつ、中国南部などの地域的に遍在し 資源的なリスクがあります。このことから、軽希土類(7種)に比べ価格が高価かつ、入手困難なレアアースとして認知されています。 一方でネオジム磁石の主原料であるNd(ネオジム)は軽希土 に分類され、軽希土は重希土と比較し入手性は安定しています。 このことから、巷では【レアアースフリー】と言われる事もありますが、レアアースは含有しているので厳密に言うと レアアースフリーは間違っており正しくは【重希土フリー】になります。 ネオジム磁石に関連するレアアース役割 元素番号材料名ネオジム磁石の役割その他用途59Pr/プラセオジムネオジムに性質が近くPr-Ndとして使用する事もガラス着色・光学用途など、60Nd/ネオジムネオジム磁石の主原料 64Gd/ガドリニウムネオジム磁石の磁力調整で配合光学レンズ用途など65Tb/テルビウム保磁力向上に作用緑色蛍光体用途66Dy/ジスプロシウム保磁力向上に作用レーザー材料や照明用途用67Ho/ホルミウムネオジム磁石の磁力調整で配合レーザーや原子力技術用途など*元素番号:60、65、66が特にネオジム磁石の主原料として有名です。 重希土規制の背景 ポイント:重希土は中国多く埋蔵、規制対象になることも 上述の通り重希土は世界的にも希少でその多くは中国に埋蔵し中国依存が高い事から、 政治的交渉のカードとして使用されこともしばしばあります。実際、25年の4月にレアアース輸出規制が発令しました。 このレアアース輸出規制は、重希土の規制です。現在、軽希土は規制対象外となっております。 レアアース輸出規制の中でも、ネオジム磁石に関連する重希土の元素はDy(ジスプロシウム)、Tb(テルビウム)です。 ネオジム磁石の中Dy、Tbを含有しているグレードは、中国国内から輸出する際に輸出許可証が必要になります。 ネオジム磁石における重希土の役割 ポイント:重希土はネオジム磁石の保磁力を上げる ネオジム磁石は 熱に弱い 性質があり、その減磁の弱点を防ぐため保磁力(Hcj)を上げる必要があります。 その際にDy、Tbを含有させる事で、熱減磁や強い外部磁場での減磁を防ぐ保磁力(Hcj)を向上させる事が出来るのです。 従来はH材、SH材、UH材、EH材と耐熱性が高くなるほど重希土類を多く含有していました。 しかし、重希土を含有させないまま、従来の保磁力を維持しているのが重希土フリー材になります。 材質グレード目安 温度*Pc=2.0の場合ノーマル材約80℃M材約100℃H材約120℃SH材約140℃UH材約180℃EH材約200℃ ですが、ここで注意が必要です。 現在、技術的に重希土フリーが確立されているのはH材、SH材になるのでUH材、EH材の重希土フリーは開発途中です。 そのため、高温環境で使用されるUH材、EH材のグレードでは、依然として Dy・Tb を添加した重希土含有材が必要となります。 重希土含有材と重希土フリー材の中国輸出時の違い ポイント:重希土フリーは申請不要 重希土含有材(Dy・Tbを含む): 中国商務部への輸出申請・許可が必須。 許可証発行後に出荷が可能。 重希土フリー材(Dy・Tbを含まない): 中国商務部の許可は不要。 *ただし、見た目だけでは重希土の含有有無の判別ができないため、 重希土フリー材も無申請で重希土含有材が流出することを防ぐ目的とし中国税関にて成分分析が実施されています。 重希土フリー化の手法 ポイント:重希土フリーは配合調整と製造技術で実現 重希土フリーと言っても単純に重希土を除くだけでは従来材と同じ特性は実現しません。主に以下のような手法を用い同等の特性を確保しています。 1. Dy、TbのほかHo(ホルミウム)などの重希土類を含まない組成の見直し2. 磁石原料粉の微細化および粒度分布管理3. 各製造プロセスの制御レベルアップなど ネオジム磁石は材質グレードによって各原材料の配合が異なります。従来、H 材 、SH材の大部分には数%のDyやTbを含んでいましたが配合の構成を見直し、Dy、Tbフリー化を実現しています。また、配合成分の調整を行うことで従来材と同等の磁力特性への合せこみを行います。 上記の様な配合調整に加え、母材製造時の粒径サイズを従来の粒径サイズより0.5~1μmほど小さくします。粒径を小さくする事で、結晶粒内の磁区の磁場反転をおさえることができ保磁力が高まります。 その他にも、焼結・熱処理条件の最適化などにより重希土フリー化を行っています。 重希土フリー材のメリット、デメリット メリット デメリット 資源的に希少かつ偏在する重希土類を使用しないため 資源リスクを軽減 高価かつ相場変動が大きい重希土類を使用しないため原材料の価格変動リスクを軽減 中国のレアアース輸出規制対象の重希土類を使用しないため 輸出許可申請不要、結果として納期、安定供給が可能 重希土類による保磁力アップを行わない分 厳密な製法・プロセス管理が必要 保磁力アップのための原料粉の微細化により加工能率がダウン 中国税関での抜き取り成分検査による通関日数の長期化、 数量減 重希土フリー材 一覧表 弊社重希土フリー材の磁気特性マップになります より詳しい、重希土フリー材の磁気特性表の*こちらからダウンロードできます 重希土フリー材質一覧表 本日の原材料価格 【8-24】 2026/08/24 [元/kg] プラセオネオジ(Pr-Nd) 875 ジスプロシウム(Dy) 1740 テルビウム(Tb) 8225 プラセオネオジ(Pr-Nd) 原材料価格について本日は前日から変動はありません 【「原材料価格」一覧 】
原材料価格について