ネオジム磁石の特徴

ネオジム磁石とは

最近では、100円ショップなどでも購入できる、超強力磁石。              それがネオジム磁石です。                                          ネオジウムと呼ばれる事もありますが、正式にはネオジムと言います。             実は日本で研究され、日本で生まれた日本の技術がつまった磁石なのです。

ネオジム磁石は希土類(通称レアアース)を原料とし、希土類磁石とも呼ばれています。    この希土類磁石はネオジム磁石とサマコバ磁石の2種類です。

ネオジム磁石最大の特徴は現存する永久磁石の中で一番強力な磁石です。
一般的に流通し、よく目にするフェライト磁石と磁力を比べた時に            8倍程度の磁力の強さになります。                          その磁力の強さ(吸着力)は1gのネオジム磁石で1㎏の磁性体を持ち上げる程です。
取り扱い次第では大けがをする程、強力な磁力です。

磁力を比較した時に

ネオジム磁石> サマコバ磁石 > アルニコ磁石> フェライト磁石

                の順番になっています。

また、磁力が強いだけではなく高い保磁力も持ち合わせています。            保磁力が高いので、減磁を起こしにくく磁力、磁気を安定させる事が可能です。
他にも欠けや割れも少なく機械的強度にも優れ、

価格変動が激しいレアアースであるコバルト(サマコバ磁石)より            価格が安い点などが上がられます。

その他、各種磁石の解説はこちら

ネオジム磁石の特徴

① 永久磁石で一番強い磁力
② 永久磁石で一番高い保磁力
③ 欠け、割れにも優れている

ネオジム磁石の注意点

ネオジムの表面処理

ネオジム磁石主成分はネオジム(Nd)鉄(Fe)、ボロン(B)となり、          ネオジム磁石の6割程度が鉄を占める為、錆びやすい性質を持っています。                  フェライト磁石などは素地のまま使用できますが、                   ネオジム磁石は素地のままでの使用は錆が懸念されます。

そこで、防錆対策として一般的にニッケルめっきを施します。
ニッケルめっきは、耐食性に優れているので、ネオジム磁石の錆びやすい欠点を補え、   ニッケルの硬度が高いので表面に傷がつきにくい特性から、               ネオジム磁石の表面処理とは非常に相性が良く標準で施されています。
ただしニッケルを施したからといって水中ではご使用はしないで下さい。
弊社の表面処理はこちら

ネオジム磁石使用時の注意点

他にも非常に強力な磁力、磁気を持っていますので、                     磁石のサイズによって人の力では引きはがせません。                   無理に引きはがそうとして指を挟む事で骨折する程です。

磁力、磁気が強いがゆえにICチップの入ったカートやスマホなどに近づけると          データなどを破壊してしまい、時計の時間が狂うなど、                  精密機器の周辺での取り扱いも注意が必要です。

磁石のサイズが小さいからと油断せず使用する際は細心の注意しながらご使用下さい。

ネオジム磁石と温度

ネオジム磁石ですが、実は高温環境で磁力が落ちる現象「熱減磁」があります。
この熱減磁には、「可逆減磁」と「不可逆減磁」の2種類あります。

可逆減磁とは常温から高温へ磁石を移動させた際、磁力が落ちます。           ですがまた、常温へ持っていく事で磁力が回復します。

不可逆減磁とは、常温から高温へ磁石を移動し、また常温へ戻したとしても磁力が回復しない事を指します。

その対策として、ジスプロシウム(Dy)の添加量を調整し、保磁力を上げる事で      耐熱性を上げたグレードがあります。
ただし、これらの温度は形状や材質グレードによって異なります。
減磁の解説はこちら

ネオジム磁石の用途

ネオジム磁石の使用用途は多岐に渡り使用されています。
各種磁石共通していますが代表的な用途は、吸着力を利用した磁性体に付ける吸着用途、                           磁力の引き合う力、反発し合う力を利用した回転モーターなどがあげられます。

これら磁石の特性を活かしネオジム磁石は産業機器、家電機器、医療機器など       実は多くの用途、分野、商品に使用されています。

身近な周辺機器では携帯電話のバイブレーション機能、                   イヤホンの音を出すための振動機能などにも使用されています。

今後、爆発的に需要が伸びてゆく                           電気自動車のモーター用途として注目を浴びています。

ネオジム磁石と小型化

従来、電子機器に組み込まれる磁石は安価で                      比較的保磁力が高かったフェライト磁石が主流でした。                             それでも磁力が強くないので、                            磁石サイズを小さくする事が出来ませんでした。

そんなフェライト磁石の欠点を補ったのがネオジム磁石です。              ネオジム磁石は他の磁石に比べ磁力が強く                        保磁力が高い事で磁石サイズを小さくする事に成功しました。              今では様々な小物部品に組み込まれています。

フェライト磁石は保磁力が高いとは言われますが、                     それでも自身の逆磁場で自己減磁を起こしてしまう為、                 磁石の厚みを薄くする事が出来ませんでした。

ですが、ネオジム磁石は保磁力が高いので自己減磁を起こす事がありません。
他の磁石に比べ強い磁力により小さいサイズで大きなパフォーマンスを発揮し、       その強い磁力を保つ能力が高い事で、磁石のサイズを小さく出来る事で、         小型化への技術革新に貢献しました。

相模化学金属のネオジム磁石

弊社は国内の数少ないネオジム磁石メーカーです。
自社中国工場で磁石母材、加工から表面処理まで一貫製造し高品質なネオジム磁石製品を     ご提供しております。                                磁石メーカーの利点を生かしトレーサビリティ、日本品質、低価格を実現しております。  弊社では試作品1個からのご注文も承り、                       ご使用用途に適した各種材質グレードの豊富な種類をご用意しております。

製品ラインナップ、磁気特性はネオジム磁石のご案内(リンク) からご覧ください。

本日の原材料価格 【3-18

2024/03/18
[元/kg]
  • プラセオネオジ(Pr-Nd)
    425
    ジスプロシウム(Dy)
    2325
    テルビウム(Tb)
    6550
    プラセオネオジ(Pr-Nd)
  • 原材料価格について
    前日比 プラセオネオジ(Pr-Nd)-1.2% となっています。
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