1986年に大きな転換期を迎えます。私はこの年に渡米し、かつて見たことも無い強力なマグネットに出会います。希土類マグネット(ネオジ磁石の原型)です!このマグネットとの出会いを、私は運命的な出会いと感じ、これからの時代はこのマグネットがマグネット業界だけでなく広く産業界に変革をもたらすものに感じ取れたのです。そこで、帰国するやすぐさま、ネオジの産出国でもある、中国へ渡り何とかしてこのマグネットの製造ができないものかと行動を開始しました。
そして、1991年、日本企業としては希土類磁石の分野で初めて中国進出、中国科学院 北京三環新材料高技術公司との合弁会社設立が実現いたしました。
中国進出には、1986年から1991年まで5年もの歳月を要しておりますが、これは、1989年の天安門事件など中国の社会的要因により時間がかかったことがあります。実は、天安門事件の当日私は上海におりました。意外にも上海は比較的平穏で、テレビなども規制していたのか、北京の様子は知ることも無く無事帰国できました。帰国後、日本のテレビ報道を見て驚いたことを今も鮮明に記憶しています。
1991年から中国との合弁事業をスタートさせるわけですが、やはり当初問題となったのは、品質です。国産品と比較するとどうしても中国製品は品質にばらつきがあるのが現実でした。
そこで、相模化学金属では日本にも工場を持つ強みを生かし、日本での品質管理を徹底的に行なうと同時に、中国工場にも日本人技術者を派遣することにより、高品質で低価格のマグネットを日本のお客さまに安定供給できる体制を完成させました。ぜひ一度、お試しください
その後2013年、三環相模は相模化学金属100%出資の独資企業へと発展し、北京相模金属有限公司として新たな船出をいたしました。
このように、創業以来45年常に革新的に歩んできましたが、21世紀を迎え、これからのわが社のあり方を考えた時に、「高品質で低価格のマグネットを日本のお客さまに安定供給できる体制」という特徴は活かしながら、これからの時代によりお客さまに役立つにはどのようにしていけばよいかを模索しておりました。
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